新宮山彦ぐるーぷ 第1743回


平成二十六年新春初山行 観音峰山1347.4m

実施日  平成26年1月2日(木) くもり時々薄日 山頂気温 氷点下1℃ 湿度69%

行き先  奈良県天川村観音峰山

参加者  川島 功 沖崎吉信 更谷阿希子(沖崎氏同行・熊野デザインセンター)前田 正 児嶋道夫
      濱野謙吉 中前 偉 須崎誠久(中前氏同僚) 大江加予子 生熊千満子 高階美根子 
      榎本康夫 湯川一郎  細川頌司(湯川氏甥) 三井幹雄  河野芳宏 森沢義信 榊本真仁
      松下陽子(榊本氏同行) 杉本俊也 乾 克巳 
      新宮組十四名 奈良・大阪組七名 計二十一名 (男子十六名 女子五名)

行 程   集合・天川村虻トンネル駐車場9時30分 登山口9:30〜第一展望台9:40〜観音平休憩場10:25
      〜 観音の岩屋10:45〜観音峰展望台11:10〜観音峰山頂 12:00〜 13:15(昼食)登山口15:00
      解散15:20

装 備   補助ザイル(乾) 鉈・鋸(川島・沖崎) シート(沖崎) コンロ(児嶋他) お屠蘇(玉岡相談役提供)

   


観音峰山頂


 新宮組は朝が早い。遠くから来て頂く人達を待たすわけにはいかない。途中チェーン装着になると時間も掛かるので、同乗者の森沢さんと杉本さんにご無理を言い、少し早めに奈良を出発した。前日までの天川村の天気予報は晴の一文字であったが、どんよりとした空模様に加えて気温も高そうだ。

 天川村に近づくにしたがい雪が現れだしたが、道路の雪はシャーベット状態だった。順調に走行できたお陰で、集合場所の虻トンネルには一時間前の8時20分に到着した。しばらくすると河野・三井組の到着。続いて新宮組が8時45分に到着した。道路凍結がなかったので皆拍子抜けの様であったが安全がなりよりだ。集合時間に間があり榊本組が未到着だが、早めに朝礼をすることにした。

 川島代表の新年の挨拶に引き続き、沖崎さんが初参加者の紹介をされているところへ榊本組が到着した。引き続き企画責任者の乾(私)から観音峰の説明と雪山の初めての方に、いくつかの注意事項を説明した。 駐車場からしっかりとした積雪なので全員にアイゼンを装着して貰い、9時30分に出発した。21名の参加者全員が吊り橋に乗ったので少し不安になったが何の問題もなく歩き始めた。 しばらく歩くと観音の水場を通過した。唯一の水場だが誰も飲もうとはしなかった。出発から10分ほどで第一展望台に到着。参加者の半数近くが観音峰は初めてなので、出来るだけの史跡を観ながら行くことにした。

 広くはない展望台に21名が入ると駅のホームの様な混み合いになった。トサカ尾山越しに頂仙岳から弥山・八経ヶ岳が雲の合間に見え隠れしている。弥山川にかかる双門の滝がひと筋の白い帯を垂らしたように見えた。こちらの山とは違って樹氷で真っ白に見る。

 10時25分に金色に輝く菊の御紋章を頂いた休憩所に到着した。ここが観音平だ。テニスコート程の平坦な広場があり、総桧造りの立派な休憩小屋が建っている。5、6分休憩を取り脇の石段を登っていくと観音峰の名の謂れになっている観音の岩屋があり、立ち寄ることにした。天川村と観音峰は南朝の史跡が多い。南北朝時代は700年ほど前、1336年に後醍醐天皇が吉野に落ちのびた時から始まり、後亀山天皇が帰京するまでの57年間と言われている。北朝方の勢力に追われ、後村上天皇が吉野から天川へ落ち延びる時に隠れた岩屋で、十一面観世音菩薩が現れ、数々の啓示があったと伝わっている。観音峰の名の由来も、この十一面観音に因ると言われています。その後、後醍醐天皇の皇子護良(もりなが)親王、長慶天皇、後亀山天皇がこの岩屋に追われ避難したと伝わっています。いかに天皇と言えども、都落ちした身分では哀れとしか例えようがない。岩屋の中は二、三畳ほどの広さで、腰をかがめてしか入ることができない。岩屋の奥には祠が祀られていた。春・夏には、この辺り一面に大文字草や赤・白の山シャクヤクが咲きます。
 
 ここからしばらくは少しきつめの登りが続く。吹く風も強くなり、汗ばんだ身体が一変に冷えて来た。歩き始めて一時間四〇分、一一時一〇分に観音峰展望台に到着した。曇ってはいるが三六〇度見渡せる絶好のビューポイントだ。目前に鋭く尖った大日山。雪を戴く稲村ヶ岳とバリゴヤの頭。南東方面には一の垰から延びる弥山・八経ヶ岳、鉄山も香精山も見える。残念なのは曇っていて、純白の雪が薄墨が掛かったようにくすんで見える。紺碧の連山を100とすれば20〜30点ほどかなと思われた。純白に輝く大峰連山を見て欲しかった。ここで昼食かと思っていたら山頂まで行くと言い出した。観音峰山の取り付きの山の木々は雪もなく黒々としているが、観音峰山頂は幾分白んで見える。ひょっとすると霧氷が残っているかも知れない。皆、朝の早い食事でシャリバテ気味だが最後の力を振り絞って急な坂道を登った。夏場では何でもない道だが、1m近く雪が積もると枝が垂れ下がり、その下を掻い潜るように歩かなければならず、時々枝に触れると頭から雪を被って飛び上がる。

 なだらかな山頂は、表示板が無ければ通り過ぎてしまいそうな所にある。12時丁度の到着。期待していた霧氷も、かなり緩くはなっているが残っていた。初めて見る者にとっては良い体験になったことと思う。北斜面から吹き抜ける風が強く冷たい。稲村ヶ岳へ続く縦走路は尾根にあるので、氷の花が咲いたような見事な霧氷が続いていた。川島さんの発声でいつものように、今西式バンザイを三唱して今年一年の無事を祈った。川島代表が玉岡相談役から賜わってきたお屠蘇を注いで回った。南斜面に風を避け、昼食の場所作りのための雪がためを行い昼食とした。この辺りは吹き溜まりになっているので、積雪も1mはあると思われる。気温が低いのでべとつきはない。児嶋さんが全員に美味しいドリップコーヒーを淹れて下さった。みんな思い思いに座って食べている。東京から参加して下さった湯川さんと甥の細川頌司さん。中前さんと職場の須崎誠久さん。榊本さんと松下陽子さん。松下さんは奈良岳志会のメンバーで、今日はお婆さんをやっている佐藤優美子さんも知り合いとか、今月12〜13日には天川川合からロングコースで弥山に登る予定とか。可愛い顔してきついことを言う。私の横に新宮には珍しい美人の更谷阿希子さんが座られた。聞けば今月12日に結婚して埼玉市に住む予定とか。独身最後の山行に良くぞ参加してくれたものと感謝です。NPO熊野デザインセンターに勤務されておられたとか、沖崎さんももっと早くにお誘いすれば良かったのにと悔やまれます。それぞれに土地の名産や美味しいお菓子を持ち寄り、美味いコーヒーを頂きながら、和やかなひと時を過ごすことができました。少し長めの昼食となり、13時15分に山頂を囲んで記念撮影を行い下山することにした。観音峰展望台の眺望は、来た時よりもどんよりとして、寒々とした灰色の山並みが連なっていた。生熊千満子さんと高階美根子さんに昨秋に道路決壊で中止となった筏場三津河落山への山行を新緑の花の時期に実施することを約して下山した。



駐車場到着は15時丁度。新春の穏やかな一日に感謝して、15時20分に解散した。 良い一年でありますように。  文・乾 克巳

行事への差し入れ(漏れの場合はご容赦ください)

玉岡:屠蘇酒(四合) 真砂:大吟醸(四合) 川島:熊野三山(四合) 中前:熊野川、熊野三山(各二合)
榊本:菰酒

沖崎:さんま寿司 三井:お菓子 濱野:お菓子 榊本:お菓子 児島:ドリップコーヒー 大江:干し柿

まだまだ沢山のお菓子などが配られましたが、把握できておりません。悪しからずご容赦下さい。

新年早々に遠路ありがとうございました。高階美根子さんは早朝三時に起床して参加されたようです。お疲れ様でした。今年は新宮山彦ぐるーぷ創立四〇周年になります。七月頃に勝浦で記念の祝賀会を予定されています。振るってご参加下さい。行仙小屋へのヘリでの荷揚げは二月の中旬を予定です。今年は笠捨山以南の奥駈道、玉置山から熊野本宮までの点検も計画されているようです。今年一年の奥駈道保全作業の安全と山行の安全、皆様方のご健勝をお祈り致します。
                         
                                                                   以 上



観音峰展望台

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